■ 日本学校医会とは
日本学校医会は、現在の学校医制度における課題を見直し、真に子どもたちの健康と命を守るために活動する全国の医師による専門団体です。
既存の学校医制度は、しばしば「健診医」の役割にとどまり、保健管理全般への積極的な関与ができていないのが現状です。
私たちは、こうした制度の形骸化を乗り越え、産業医のように専門性と倫理観をもって学校現場に寄り添う「本当の学校医」の在り方を追求します。
すべての子どもたちが安心して学び、成長できる環境を整えるために、学校医の本質的な役割を社会に広め、制度改革を推進します。

■ 学校医制度の問題点と現状
● 現状の課題
- 健康診断が中心業務となり、継続的な健康管理や指導が行われていない
- 学校現場でのプレゼンスが希薄で、教師や保護者との連携が不十分
- 報酬体系が不適切で、責任の重さに対する対価が保障されていない
- 専門性が活かされず、学校現場での意思決定に医師の意見が反映されにくい
学校医のあるべき姿
学校保健法施行規則第二十二条では、学校医は以下のような職務を担うと定められています:

しかし、現実にはこうした業務の大半が十分に実行されていません。
■ 日本学校医会の使命
日本学校医会は、従来の学校医の中心である小児科医や健診医だけでなく、産業医を含む公衆衛生医師や、精神科医など新しい学校医のニーズに合わせた様々な専門家医師で構成されています。
◎ 学校医の役割を再定義する
- 「健診医」ではなく「常勤的アドバイザー」へ
- 子どもたちのいのちを預かる専門職としての社会的評価の確立
◎ 教育現場との連携強化
- 校長・教員・保護者と連携し、保健安全体制を整備
- いじめ、メンタルヘルス、発達支援への医学的アプローチ
◎ 緊急・重篤事例への備え
- 心臓性突然死、アナフィラキシー、窒息などの緊急対応指針
- スポーツ外傷・事故防止の助言と体制構築
- 熱中症、自然災害等の被災予防
◎ 感染症対策の中核に
- インフルエンザ、新型コロナウイルス、麻疹等の登校判断や流行予測
- 食中毒発生時の対応指導
■ 小中高校における重大事故の実態
文部科学省の調査では、小中高校における死亡事故は過去に456件報告されています。
しかし、そのうち約7割が国に未報告であり、実態把握と再発防止が困難な状況です。
私たちは、事故発生の背景を医療の視点で分析し、予防策を提言します。
「学校は安全な場所であるべき」という当たり前の価値観を、実際の制度と行動に反映させることが使命です。
■ 学校における自殺の現実
文部科学省の統計によると、近年、小中高校における児童生徒の自殺は年間で527名にのぼっています。自殺の背景には、いじめ、不登校、進路への不安、家庭内の問題、精神的な不調など、複合的な要因が存在します。
私たちは、子どもたちの命を守るために、医師によるメンタルヘルス支援の充実、教職員への継続的な研修、環境整備などが急務であると考えます。
■ 日本学校医会の主な取り組み
- 学校医業務の再定義:健診医、認定学校医、専属学校医、嘱託学校医など分類を再定義
- 認定医制度の導入:一定の研修・経験を経た学校医に資格を付与
- 専門医制度の設立(計画中):学校医としての経験と実績を加味した専門性を認定
- 学校医の報酬制度の見直し:児童数や業務内容に応じた適正報酬の確保
- 医師登録制度:希望する医師の登録と学校現場への適切なマッチング
- 業者介入の排除:専門性を欠いた人材派遣会社等を介さない透明な契約
■ 新たな支援の展開
- 幼稚園・認定こども園・専門学校・高専への医師配置支援
- 教育委員会や学校法人との連携協定の締結
- 地域医師会や産業医学会との情報共有と政策提言
■ 私たちのビジョン
私たちは、すべての教育現場に「信頼される学校医」が存在する社会を目指します。
健康・安全・こころのサポートが十分に提供されることで、教育の質そのものが向上すると信じています。
今、学校医制度は大きな転換期を迎えています。
日本学校医会は、現場で闘う医師とともに、子どもたちの未来を守るために歩み続けます。
■ ご参加・ご支援のお願い
● 医師の皆様へ
「真の学校医」として活動したい方は、ぜひ登録をお願いします。
研修制度や最新情報の提供を通じて、現場での実践を支援いたします。
● 教育関係者・自治体の皆様へ
貴校・貴自治体の保健管理体制強化のために、ぜひご相談ください。